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13.土地を買って契約したら
売主が急病でご逝去

 元気そうなおばあさんでした。高齢なんですが、優しそうな人柄の方です。
今は、長男の住宅に同居しています。以前一人で住んでいた自宅を売りたいというので、
私の会社で買い取ることになりました。
 売買契約書を交わし、手付け金を支払い、残金支払いと所有権移転は1ヶ月後と約束しました。
契約した日から2週間後、私に長男さんから電話です。

「母親が亡くなって、昨日葬式を済ませた」

もっと早く言ってくれ、と思いながらも止む得ない事情で、葬式の翌日に電話をくれるのも大変だったと思います。

さて、皆さんもご存じの通り、不動産の名義を変更するには印鑑証明書が必要です。
葬式を出すには死亡証明書とか死亡届なんかが必要です。
役所に死亡届を出せば、当然印鑑証明書はもう発行されません。

急病で死んだ人との売買契約はどうなってしまうんでしょう。

法律上はともかく、実務上は相続登記後に相続人全員から改めて所有権移転の書類を受け取ることになります。相続人のうち一人でも「ばあさんのやったことだから俺は知らん」となれば、これは大変なことです。法律上はともかくですよ

結論は、無事我が社名義に変更できました。
実は、生前おばあさんに「残金支払いの時に印鑑証明書が必要ですよ」とお願いしていたところ、早々に準備していてくれたのです。これを長男さんが保管していて、私に渡してくれました。

死んだ人の印鑑証明書も、発行から3ヶ月は有効に所有権移転できるのだそうです。
生前の意思が証明できるという理由で。

残金はどうしたかですか。もちろん約束の金額を相続人に支払いました。



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