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12.住宅の売主さん、知らないうちに空家

 自分の住宅を売りたいと依頼され、買主さんを募集しました。購入を決めた買主さんと売買契約を媒介しました。
 契約後に買主さんの住宅融資を手配し、ようやく決済可能日が決まりました。もう契約してから1ヶ月半経っています。

 「残金決済日が1ヶ月後の×月○日になりました。この日に引き渡しのしますので、引っ越しの準備を急いでください」と売主さんにお願いしました。
 「お金がなくて売るんで、引っ越し費用を立て替えてくれないか」との売主さんの言葉。お金が窮屈な方とは知っていましたが、立替の依頼とは。
 しかし、契約したら約束を守らなければなりません。買主さんにも、「これから引っ越しなので多少引き渡しが遅れる場合があります。そのときは、引き渡し可能となってから後に決済します。」と説明しているものの、目処が立たないのは困ります。

 そこで、「移転先の住宅が決まったら立て替えましょう」ということにしました。
3週間後に移転先が決まったから、契約費用を立て替えてくれと宅地建物取引業者の請求書を持参したので、相当額を立て替え売却代金から返金してもらうこととしました。
また、引っ越し日を決めて、午後6時に引き渡しを受けることとしました。

 2日後に、売主さんに電話しても誰も出ません。住宅に行ってみると家財も人も空っぽです。
売主さんから所有権移転に必要な書類を受け取らなければ、残金決済も所有権移転もできません。買主さんに売主さんが行方不明で売買はなかったことにしてくれ、と言うわけにもいきません。立替金の回収もできなくなります。

 幸い、売主さんの居所は分かりましたから、急行しました。
「落ち着いてから連絡しようと思っていた」
そういう問題ではないんです。約束は守ってもらわないとみんなが困りますよ。
「引っ越し先が判るとは思わなかった」
わからなければこのまま済まそうと思っていたのでしょうか。

 残金決済と所有権移転と住宅引き渡しが無事済んだのは、この日から1週間後です。立替金と契約手数料もきちんと頂戴しました。



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