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15.住宅ローンが返せない

 一昨年あたりから、地方の秋田でも住宅ローンが返せなくなり、ようやく手に入れた住宅を手放す方が増えてきました。平成2年頃〜平成10年の間に購入した方が多いようです。

 これからお話しすることは、複数の実例です。これまでもローンや固定資産税等の支払いが滞り、売却が困難なケースをお話ししてきました。今回は少し整理して連載形式でお話ししていきたいと思います。

 売主さんは義務教育中のお子さんを育てる4人家族のご主人です。平成5年に念願のマイホームを手に入れました。
 購入資金の9割近くがローンです。毎月の返済が約7万円、これにボーナス月が22万円加算して返済する約束になっています。

 ボーナス月は約30万円の返済が必要となっています。
平成11年頃から毎月の返済額とボーナス返済額が少し増えました。そのような約束ですから、これは致し方ありません。

 平成不況が深刻となり、この方も収入が減りました。どこが減ったかというとボーナスです。
ボーナスつまり賞与は企業収益の従業員分配であることを考えると、企業収益が減ったからボーナスも減るのは当然かもしれません。

 しかし、ボーナスや諸手当というのは、決して「減って当然」とはいかないものです。なぜなら、従業員はこれらの収入も計算して生活を立てているからです。

 この売主さんの基本給は月額15万円でした。秋田市ではよく目にする数字です。これに諸手当とボーナスを頂戴して、なんとか生活できるわけです。

 しかし、本当に厳しい経済情勢です。この売主さんもボーナスと諸手当が半額になりました。月々の生活はやりくりで何とかなります。問題はボーナス月の返済です。住宅ローンのボーナス付き返済30万円に生活費を足すと、収入がどうしても10万円足りないのです。実は、ボーナスを当てにして購入した家財の支払いもあって、この月は20万円の赤字となりました。

 貯蓄から緊急出動となりますね。次のボーナス月はきっと回復することを信じて。
しかし、半年後のボーナスも同額でした。蓄えからの緊急出動も限界に近いけれど、次のボーナスこそはと、我慢しました。

 しかし、1年後のボーナス月も同額です。ボーナス諸手当が減額されて1年経ちましたが、企業収益は回復しません。この1年間は、家計を切りつめたといっても必要なお金は出ていきます。貯蓄が目に見えて減っていたことは想像に難くありません。

 今回はここまで。つづきは、次回にお話しします。



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