[戻る]




26.忘れられた仏壇−2

 「忘れられた仏壇」は2002年2月の執筆でした。このたび執筆の再開を「忘れられた仏壇−2」から始めます。この一年間は事実上の休筆となりましたこと、皆様に心からお詫び申し上げます。

 さて、多くの人が手を合わせたに違いない仏壇とご位牌ですが、近親者がいないため引き受けていただける先がありません。
 姪御さんを薄情だと非難することはできません。住宅事情や家庭の事情は大きいと思います。
地方の住宅では当たり前の仏壇規格が、都会の住宅には大きすぎることは容易に想像できます。

 また、小さい頃に一度か二度しか会ったことのない、記憶に薄い叔父さんと叔母さんのことです。位牌を持ち帰り毎日手を合わせるといっても、かえって気持ちのこもらないことになりかねません。

 本当の人の死は故人を偲ぶ人が誰もいなくなったときに訪れる、という言葉が実感されます。
脈々と子孫が繁栄し御先祖として祀られる故人が多くいる一方、子孫が途絶し忘れられた故人も多くいるのだと思います。むしろ数のうえでは忘れられた故人の方の方が多いのではないでしょうか。

 私どもがお寺さんと十分な協議お重ねながら、姪御さんと相談の上で最善と思われる手配をさせていただきました。誰もいない古い住宅にほこりをかぶっていた仏壇とその位牌ですが、故人の方たちもようやく永眠できたものと思います。

 悲しく切ないことですが、きっと、人類の太古から繰り返されてきたこととして自分を納得させました。そして、建物を解体し土地を整地しました。

 



BACK不動産よもやま話NEXT



| TOP | ご挨拶 | 売買情報 | 賃貸情報 | 不動産よもやま話 | 会社案内 | スキー教室

ご意見ご感想は daiti@jeans.ocn.ne.jp までよろしくお願いします。