コンクリート擁壁と新規打設面の間から浸み出している水。水の力は人間の想像を超えるものがあります。
5センチかさ上げしたところで、住宅の地盤面から45センチ下がっているわけですから。
「費用がかかってもいいから、何とか水の浸み出しを止めてくれ。ジメジメしていやだと家族に毎日言われて参っている」と切実な依頼です。
水は高いところから低いところへ流れる、というのは常識です。
高いところから低いところと言っても、水が垂直に地面に浸透すれば問題ありません。そのまま浸透し続けてくれれば、別の所に浸み出すということはありません。
しかし、実際は川のように垂直ではなく水の通り道に従って、下流というか真横にまとまって流れることの方が多いのです。
川だって少しは河川床から垂直に浸透はしているのでしょう。しかし、圧倒的な力は川の流れにあります。
地下水も同じです。「何を当たり前のことを言っているんだ。」とお叱りを受けそうです。
車庫のコンクリートたたきはかさ上げ後は合計15センチの厚さがあります。いったんコンクリートタタキのの下に地下水は流れ込んだのに、真上に水が上がっているのです。
地下水の強い流れの道がその付近にあることが予想されます。真下へ行くよりも真上に行かなければならないほどの強い流れがあると言うことです。
川の流れのようには目には見えませんが。
コンクリートタタキの下に地下水の流れを遮る地質があるため、真上に上がってくるわけです。
この話は次回に続けます。
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