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34.基礎の鉄筋ズレてない?−5

 技術的裏付けのある信頼できる工務店さんの工事で工事監理を行うのは、監理報酬が「無駄・過剰経費」と考えて良いかもしれません。

 それでは、工事監理業務を行うのは、「信頼性や技術的裏付けに乏しい工務店さん」の場合ということになるのでしょうか?

 これは全く違います。
 信頼性や技術的裏付けに乏しい工務店さんには、どんなに安くても工事を依頼してはならないのです。
工事監理をするとか無駄とか以前の問題です。

 最初から工事を依頼してはなりません。
注意したから、監理したから、と言って良いものが建つわけでありませんから。

 監理報告はきっと次のようになるでしょう。

「施工不良箇所を指摘し改善を指示したが改善施工ないまま仕上げ工に進展。
住宅としての安全性と基本性能を有しない施工であることを報告します。」

最悪です。間違いなく代金について紛争になりますね。
求めたのは紛争ではなく、安いけど基本性能ある住宅だったはずです。

 次に、信頼性や技術的裏付けについて私が知らない場合、工事監理をお断りします。
私自身が信頼と技術的な裏付けを確認できることが、工事監理の依頼をお受けする大前提となります。

 実は、工事監理はできれば引き受けたくない業務です。

 一旦かぶせ物をしてしまうと、それまでの施工状況を確認することは困難です。
現場の進捗を常に先取りし、目視による点検検証
が必要です。

 このため工事監理は意外と日数と時間が取られます。現場への往復移動時間、下請け工事者や工務店さんとの協議、近隣からの苦情や要望の取り扱いも監理者の業務になります。

 さらに、施工に疑問があったり、施工落ちがあった場合は、指摘し改善を求め、結果を検証するわけです。
 しかし、人様の仕事にあれこれ言うのは、気が進まないものです。
「私が口出しする前に気づいて改善してくれ!!」
と願いながら現場を見ています。

 監理報酬を十分頂戴できるなら、家族のためと割り切って出来るのでしょうが。
ぎりぎりの予算で建築するお客様から、多額の監理報酬を頂戴することは出来ません。

 様々な事情からサービス的に行っているのが、私の工事監理です。
大規模公共工事の工事コンサルティングのように、専業で企画監理する方とは大きな違いがあります。

 だから、工事監理を引き受けるのは、技術的裏付けのある信頼できる工務店さんの工事に限っています。

 まだまだお話ししておきたい前置きです。

次回に続けたいと思います。



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