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39.基礎の鉄筋ズレてない?−10

 諸種の問題がある土地で、設計や施工手順に格別の配慮が必要なケースは、土地の利用に関する総合的な企画調整を行うことができる専門家の支援を仰ぐことを、検討して下さい。

 「不動産コンサルティング」という言葉をご存じですか?
私は余り好きな言葉でありません。他によい言葉や表現があれば良いのですが。

 ご存じの通り、公共事業や大規模なビル建築などでは建築コンサルタント会社に企画調整業務を委託するのが通例です。

 一般住宅でも、同様のことは行われています。
 そんなに数は多くないかも知れませんが、建築設計事務所さんに相談して住宅建築コンサルタント業務を依頼することがあります。
 建築士さんは、建築用地に内在する制約のなかで、依頼者の希望や予算に見合った最高の建築プランを作成します。
 この建築プランを実際に工事するのは、信頼できる工務店さんに頼むこととなります。建築士さんは設計通りの仕様で工事されているか監理する点は、これまで述べたことと同じです。

 さらに、土地に内在する制約の根源に働きかけ、地域との調和を図りながら不動産の利用について総合的な企画調整を行う場合があります。
 この場合、建築設計コンサルタント業務の枠に収まりがつかないので、不動産コンサルティング業務という用語を使う場合があります。

 国家資格でも公的資格でもない、「宅地建物取引主任者と不動産鑑定士のうち国土交通大臣が認定した民間団体の検定に合格して登録した」という意味で、「不動産コンサルティング技能登録」という制度があります。
 よもやま筆者も、検定に合格して技能登録しております。
 技能登録をしなければ不動産利用の総合企画調整業務が出来ないわけではありません。
技能登録についてはhttp://www.kindaika.jp/を参照下さい。
 ただ、不動産コンサルタントと称する方が、この技能登録をしていればまんざらでもない、技能登録をしていなければ、ちょっと・・・・・、という程度の意味合いはあると思います。

 不動産コンサルティング業務は法律の定めや確立された定番実務と言ったものもありません。
不動産コンサルティング技能登録をして業務をする人でも、人によって意味することも違うようですし、ちょっと・・・・、と考え込んでしまうケースも見受けます。

 不動産を売却するお膳立てを「コンサルティング業務と称し」報酬を請求する方もいます。
 遊休地所有者にアパート建築を提案し経営を勧めることを「不動産コンサルティング」業務と称する方もいます。

 私がどのような考えで不動産業務に対面しているか、「よもやま」をご愛読の方は既にご理解戴いていると思います。
 次のような考え方で不動産に係わることが、不動産コンサルトを実践することと思っています。

 不動産をめぐるあらゆる制約や課題に疑問を持ち、働きかけと研究を通じ挑戦することが大切と考えています。
 将来の禍根となる芽を注意深く除き、あとあとに生じるもめ事が迅速且つ平穏に解決できるよう足跡をきちんと残すことが大切と思います。
 一人の方だけが有利なのではなく、地域の方たちにも喜んでもらえ、公平で公正な不動産の利用を実現することを目指したいと考えています。

 このような考えを持って「不動産業務に対面する」ことが「不動産コンサルティング」業務と思うのですが、まだまだ少数意見のようです。
 従って、「よもやま」では「不動産コンサルティング」という言葉はこの話題に限り、以後使わないと思います。
 もし、何かの機会に不動産コンサルタントと称する方と業務やおつきあいする機会があったとき、この話題を思い出して下されば何かの役に立つかもしれませんヨ。

 だいぶ横道にそれましたが、次回は話を戻して具体的な総合的企画調整の働きかけについて、話を進めます。
 長い前置きの戻っただけで、「一体いつになったらズレた鉄筋になるんだ」と、自分自身思っています。
 でも、「よもやま」の公開動機そのものを、整理していることに気づいたものですから、このまま勢いで進めます。



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