1.税金
2.セットバック
道路幅員が4m未満の場合、全く建築できないというのは大変なので
「将来は4mの幅員を確保するよう沿道の皆さんが少しずつ道路の負担をして下さい。
今住宅を建てようとしているあなたは、とりあえず道路の中心線から2m下がったところを道路敷地境界とみなして建築してください。そうしてもらえる約束の下で、建築の確認をしましょう」
というのが「セットバック」です。
この事例の道路は幅員3mです。
当たり前に考えると、中心線から2m下がるというので50センチメートル敷地を道路としなければなりません。
現況道路は確かに3mの幅員です。
しかし、依頼者は既に3mのうち2mを道路として提供しています。
このことは以前の土地境界立合図面によって明確です。
それでも、依頼者は更に50センチメートルを提供しなければならないでしょうか。
セットバックの趣旨は、狭い沿道の皆さんが公平に負担しあいましょう、ということですから建築をするという事情(弱み)のみで、公平を越えた負担をもとめることはできないと思うのです。
ところが、案外難しい。
セットバックについて「現状主義」「現況主義」が建築指導現場の第一歩だからです。
市役所の対応は更に50p下がれ、というものでした。
かなりかなり苦労しました。
市役所に何度足を運んだか、完了検査済証をもらうまで建築終了から2ヶ月かかりました。
工務店さんからは、「こんなところで手を打ってくれないか」と何度も頼まれました。
しかし、工事監理者の立場では理屈の通らない、何より公平を逸する扱いを認めることは出来ません。
工務店さんと資料の収集や説明方法や証明方法の検討を重ね、工務店さんのねばり強い説明により、既に提供している幅員2mの土地の他に、更に提供することを避けることが出来ました。
将来にわたって禍根を残すことを避けることが出来たわけです。
こんなことにつきあってもらえるのは、信頼を大切にする工務店さんだからと思います。
さて、「幅員4m未満の道路に接する土地とセットバック」というテーマで、実際例をお話ししてきました。
平成17年7月から秋田市は判断や行政手順を変えたそうです。
過酷な負担を建築しようとしている方に求め始めました。
上記の考え方は通用しなくなりました。
大変な規制強化行政です。この件は、別稿でお話しできればと思います。
3.電柱
4.水道管
5.通行権
6.下水管の輻輳
7.道路が行き止まりで狭い
8.プライバシーと興味
9.その他
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