バブルという言葉もなかった頃から表題のようなことはあったのです。
誰も住んでいない住宅が競売に出されました。
裁判所の公開しているレポートには、賃借人はいないとありました。
競売で入札し、開札をしました。一番高い価格で入札していた私が
落札致しました。
最高価で落札した者は裁判所に価格と住所氏名が掲示されます。
また、所有者(債務者であるのが普通です)にも誰が落札したか連絡が行く
のかもしれません。
落札してから間もなく所有者から連絡がありました。
「実はあの住宅は人に貸している。お金を払わないととんでもないことになる。
ついてはAさんに連絡を取って協議して欲しい。」
Aさんとは頭文字がBの「士」が就く職業の方です。弁理士さんではありません。
Aさん曰く
「所有者が金を借りているCさんという人が、借家権を主張している。といっても
お金で解決できる。私が交渉してあげる。
ちなみに、Cさんは乱暴者で以前に所有者宅に金を取り立てにいって、暴れた。
そのときは一升瓶やらビール瓶をいっぱい持ち込んで、手当たり次第割った。」
このときは数百万円の金をAさんに渡しました。
幸い、問題は起こりませんでした。
しかし、所有者からの連絡、Aさんの登場、Cさんの話。
ぐるなんだろうな。
あとにも先にも競売取引で理由のない金を支払ったのはこのときだけです。
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